ヘアアイロンがすっかり普及し、

日常的にアイロンを使用している方も

年齢層問わず、広がっている印象です。

「アイロンは傷む」とよく言いますが、

傷むってどういうことでしょうか？

パサパサになる？

ひっかかる？

キンキンになること？

パーマがかからないって言われた事あるけど？

…イメージはあるけど、具体的にどうなるのでしょうか。

傷みが髪に、どんな影響を及ぼすのか

なるべくわかりやすく解説していこうと思います

『熱変性』『キューティクル』

がキーワードになります。　

・熱変性

髪の毛のタンパク質が熱で固まることです。

目玉焼きが、火が通るにつれ硬くなって元に戻らないのと似ています。

柔軟性を失うので、【髪の硬さ】【折れ】につながりますね。

カラーリングも、熱の多く当たった毛先を中心に、暗く沈み込んだ色合いになります。

・キューティクル

キューティクルは、熱によってボロボロになります。

髪の内部を守る蓋のような役割があるので、

内部の物質が水に溶け出してバラバラになります。

毛髪内部がむき出しになるため、枝毛、切れ毛ができ、乾燥、パサつきにつながります。

ここまでは、比較的想像しやすいことだと思いますが、

意外と知られておらず、怖いのが

ビビリ毛（チリチリになること）

です。

通常縮毛矯正をすると、

髪の毛のクセが修正され

キューティクルが一方向に揃うため、

まっすぐ・ツヤツヤの質感になります。

ところが

⑴セルフカラーを繰り返し炭化した髪の毛

⑵アイロンを毎日使用される

⑶縮毛や細やかな性格で、アイロンは強く何度もプレスする使い方をしている

（どれか一つでも該当する）

という方がこの工程を踏むと、

このような髪の毛になりやすくなります。

これは本物のお客様の髪の毛を少しいただき、

毛束としてシミレーションしたものです。

来店時、お客様はこのような状態でした。

2枚目の画像の前髪部分を見てわかる通り

縮毛タイプの癖毛です。大きなうねりもあります。

この画像はカット後のためコーミングで多少落ち着いていますが、

来店時はもっとボリュームが大きく出ていました。

本当はストレート（矯正）で

ものすごく綺麗にできるのですが、

ヒアリングしていく中で

『毎日アイロンするのにうんざり』という要注意ワードが！！

このとき、

『縮毛タイプの毛質なので、おそらく

強く何度もアイロン掛けている、さらに

温度も多分180〜200°Cのものかな』などと

推測します。

（ちなみに、よく200度のアイロンが市販されていますが

縮毛矯正専用の業務用アイロンでも180°Cです）

髪の毛には限界があり、

アイロンを強く毎日、高温でかけ続けた髪は、

長さ10センチ以内の前髪であっても

ビビリを起こします。

また、髪の年齢が若かったり太い剛毛であれば耐えられる刺激でも、

年齢が上がったり細い髪質であればあるほど、びびりやすくなります。

けれどそれだけでは、薬剤強度さえ気をつければビビリを起こす事はありません。

著しいダメージ、切れ毛の多発を引き起こすのはやはりアイロンです。

最初にお話しした時点で

危なそうな気がしたため、

特にアイロンが当たる部分を一部カットし、

薬剤で検証させていただきました。

結果はこの通り…

お客様はセルフカラーもなく、矯正も2年近くされていませんでした。

根元側10センチ足らずのこの部分は、本来ならビビリなどなるはずがないのです

（使用した薬剤は一番弱いもので、10分間とかなり短い放置タイムでの実証でした）

検証によって、

右手で持ったアイロンが

一番当てやすい（＝傷めやすい）部分が

特定できました。

毛先は前回の矯正が残ってます。

そこで、

一番傷んでる（推測）左サイドと

既矯部（前回の矯正部分）を避け

残りの新生部だけ矯正していくことに。

毛先は薬をつけません。

既に矯正してあるため、

根元さえ収まれば、毛先もかなり

落ち着いてくるはずだからです。

そして、完成図はこちら！

すごい艶が出ました。この方は

本当は、こんなに頭が小さかったのです。

毛先のチリ付きが見えますが、

これは今回毛先はカット以外一切していないためです。

本来、来店時の状態が健康毛なら

矯正後は毛先までこれぐらい↓ツヤツヤになりますが、

↓（画像は他のお客様です）

原因は様々ですが、今回のように毛先は温存する判断で、

あえて残す場合もあります。

一番傷んでいた部分の仕上がり

矯正せずにあえて残した左サイド。

画像中央のあたりです。

うねっていますが、矯正前よりは

かなり全体が落ち着いたと思います。

毛先を少しずつ切り、

根元だけの矯正を繰り返しながら数回〜数年通っていただき、

毛先も矯正できる状態にまで改善できれば、

先のお客様のように毛先までツヤツヤに仕上げられる日も来ます。

ですが、

セルフカラー・セルフアイロンを頻繁にしていると、それは絶対に不可能です。

そのためにも、

1回矯正できちんと伸ばして、

自宅でアイロンを使わなくても収まる状態

を作るのが美容師の責任だと考えています。

矯正後は『矯正を長持ちさせる方法』（リンク）の記事をご参考に、

アイロンをせずになるべく整えていただくと、

コンディションが良い状態を保てます。

強いクセ、

傷んだ髪こそ、

一旦根元だけでも矯正して、

アイロンしなくて良いようにした方が

綺麗にのばせる場合がある。

アイロンが手放せない方、

矯正したけどうまくいかず、

どうしたら良いのか分からなくなってしまった方。

よかったら一度ご相談ください。

☆ここからはお知らせです☆

≪当日予約について≫

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美容室シューケット（chouquette）

オーナー兼スタイリスト　新田みどり

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